整体スクールを卒業したら技術は完璧?

整体スクール卒業後の現実

私は整体を学ぶのに個人スクールに通っていました。費用は54万円、期間は6ヶ月。

そして、卒業してから開業するまで1年半の間は、そのスクールの復習会や単発の技術セミナーなどにマメに出席し技術や整体師としてのマインドを勉強しました。もちろん開業後も頻度は落ちましたが通っています。他の整体の技術セミナーに出たことも何度もあります。

整体院開業までに必要な費用の記事でも書きましたが、開業までに何だかんだで100万円以上は技術にお金をかけていますし、開業後も含めると200万円を越えるような気がします。

私が個人の整体スクールを選んだ理由は手技を受けて良いと感じたことが一番大きな理由ですが、値段が安い、時間の融通が効くカリキュラムというのも同じぐらい大きな理由でした。

ですが、スクール卒業までという視点で見ると価格も期間も大手のスクールより安く・短くて済んでいますが、結局自分の技術にある程度自信を持てるようになるまでには2年ぐらいかかっていますし、お金もそれなりにかけています。

私の選んだスクールではスクール期間中は現場で使える必要最低限の技術(5〜7割ぐらいの患者さんに適応できる)を学び、あとは必要に応じて追加で学んでいくというスタイルでした。指導して下さる先生が治療技術マニアで自分が勉強してきた手技を比較的低価格で教えてくれたので、追加で時間とお金がかかっていますが特に不満はありません。

とはいえ、この話は裏を返せば個人スクールで学んだ技術だけでは不十分だったと言うことになります。

では、個人スクールはダメなのでしょうか?専門学校を出れば、そこの技術だけでやっていくことはできるのでしょうか?

答えはやっぱり難しいと思います。

なぜなら、整体の技術セミナーには専門学校を卒業した整体師の人達もたくさん参加しているからです。専門学校で学んだ技術だけで全て対応できるならわざわざ学びに来る必要は無いですよね。

つまり、どんな学校を出てもやはり単独の手技だけではどこかで行き詰まるわけです。

整体師は生涯勉強

いろいろな患者さんが来るようになると、人の体は思っている以上に複雑で個人差が大きいということに気づきます。そして手持ちの手技ではまったく歯が立たない症状も出てきます。何にでも効く完璧な技術などありません。

歯が立たない人が増えてきたら、他の技術を学ぶべきタイミングだと思って下さい。

たまにスクールを卒業した時の技術だけで頑張っている人もいます。それで繁盛している人はかなりの商売上手なのと、治らない人のことは気にしないという強いメンタルを持っている羨ましい人だと思っています。私は何とかしてあげたいと思ってついつい調べまくって余計な仕事を増やしてしまう性格ですから・・・

このような例外もありますが(苦笑)、一般的にはプロの整体師になるなら卒業後もいろいろなセミナーに出たり教材を買ったりして技術を磨くことは必須だと考えておいて下さい。たった一つの技術だけで誰でも治せるなんて甘いことはありません。

生涯勉強という覚悟が必要です。

もし、スクールに通っている間に、整体の技術を学ぶことに面白さを感じない、ただ仕事ために訓練している・・・という感覚しか感じないならこの仕事に就かない方がよいと思います。最初はよくてもどこかで行き詰まることが予想できますからね。

開業時は患者さんで勉強すると考えましょう

整体師は生涯勉強と書きましたが、スクールを卒業して開業当初は資金に余裕が無い場合も多いでしょう。そうなるといろいろなセミナーに出て技術を磨く余裕も無いと思います。特に大手のスクールを選ぶ場合、高額ですからスクール卒業後に他のセミナーをどんどん受ける余裕は無いかもしれません。

その時期はスクールで学んだ技術だけで乗り越えるしかありません。その間はとにかく手持ちの技術と知識で誠心誠意ベストを尽くしましょう。

少々精神論が入っていますが(笑)誰でも最初はそんなものです。

まともな手技なら、理由は分からないけど言われた通りに施術すれば5〜7割の患者さんは良くなっていきます。そのときになぜ良くなったのか理由を考える癖を付けるとレベルが上がってきますし、効果がない患者さんが現れたときに機転が利いたり、学ぶべき技術が何か見えてきたりするものです。

患者さんで勉強させていただく

というマインドをもつことが効率よく勉強するコツです。