整体院のコンセプトとは?
コンセプトと言う言葉の意味は「三省堂辞書サイト」によると
コンセプト(concept)は、本来「概念」を表す言葉です。しかしながら、日本語でコンセプトの語を用いる場合は、「全体を貫く基本的な概念」を表すことが多いようです。例えば「今度開店するレストランのコンセプトは“近未来”でいこう」と言った場合、レストランの店名・内外装・メニュー・広告などに、近未来的な演出を施そうという意味になります。」
と書かれています。
もうすこし違った言い方とすると、あなたがこれから開業する整体院が
- どのような点を売りにするのか?
- どのような理念を軸として営業していくのか?
- どのような特徴があって他の整体院とは違うのか?
こういった質問の「どのような」の答えになるものです。
これが明確でかつオリジナリティがあると、あなたの整体院がどういうものかを患者さんが理解しやすくなります。人は理解できないものにお金を払いません。ですから理解してくれる人が多い=利用する人が多くなるという流れになります。
さらに、説明のしやすさは口コミの広がりやすさにも直結します。せっかく患者さんが良い整体院だと思っても一言でうまく言えないと口コミできないですよね。患者さんが口コミできない最大の理由は口コミの仕方が分からないからです。
どうでしょうか?コンセプトの重要性が分かってきましたか?
これを最初にしっかり決めておくことが成功の確率を格段に上げてくれます。
以上がマーケティングのセオリーでよく言われるコンセプトの重要性の説明です。もちろんその通りだと思うのですが、現実を見るとコンセプトをしっかり考えてなくてもうまく行く人達もいるんですよね・・・
こういう人達は人間力と営業力がもともと強かったり、ビックリするぐらい愚直にコツコツやる人だったりします。あれこれ考えなくても無意識のうちにコンセプトが作られて打ち出せているという方が正しいかもしれません。
ただ、営業職でもなく普通の事務職やライン作業などをしていた脱サラ組の場合、私もそうですがそういう才能がない場合が多いのでちゃんと勉強しましょうね。
整体院のコンセプトを決めるヒント
コンセプトの大切さは理解できた。じゃぁ、具体的にどうやって作るのか?
こいつが難しい。
例えば整体院のコンセプトとしてよく思い浮かぶことは「痛みで苦しんでいる患者さんを楽にする」というのがあります。これがある意味整体院をやる動機・目指すもであり恐らく整体師を志す人が全員持っているコンセプトです。
でも、これではダメなんです。
ダメな最大の理由、あまりにありふれていて他との違いがわからないという点です。深く考えずコンセプトを決めるとこのような結果になりやすいので注意が必要です。
例のようなありふれたコンセプトは、まだ整体院が地域に一件か二件しかないような時代なら十分に集客できるコンセプトでした。しかし、今は整体院が星の数ほどできています。また健康グッズがフィットネスジムなど他の業界のライバルもたくさんいます。
そういう状況では単に「痛みを取ります!」と声を上げてもかき消されてしまうのです。もっと、独創的なコンセプトを出していく必要があります。世知辛い世の中ですが、しっかり考えて頑張って行くしかありません。
とはいえ、何も無しで考えろと言われても途方に暮れてしまいます。思考の最初のとっかかりとしては次のような切り口で考えると発想が広がりやすいと思います。
- 症状に特化する
- 趣味・スポーツ・職業などに特化する
- 過去の経験や興味があったことと整体が結びつかないか考える
- 周りの人にあなたがどういう人間に見られているか聞く
- なぜ整体師を志したのか、その理由を深く考える
- 使う手技の特徴を一言で表現する言葉を考える
- 整体院として使う物件の特徴を挙げてみる
これはあくまで例です。これらを組み合わせてあなたなりの整体院のコンセプトを作ってみてください。これには時間をじっくりかけた方が良いです。
整体院のコンセプトはとにかく具体的に!
先ほどはどういう切り口から発想していくかという点を説明しましたが、実はもう一つ重要なポイントがあります。それは
具体的に表現する
ということです。例えば「痛みが得意な整体院」よりも「膝の痛みが得意な整体院」の方がより具体的でイメージが湧きますね。「膝のお皿に下の痛みが得意な整体院」と書くともっと具体的になります。ただし、3番目まで行くと整体院の集客としてはすこし具体化というか絞り込み過ぎの可能性がありますね。
このようになんでも具体的にすれば良いという訳ではありませんが、一般的にコンセプトというと抽象的でぼんやりとしたものになりがちなのです。これだと誰にも響きません。みんなに好かれようとして誰からも好かれない人のようになってしまいます。
ですから、コンセプトを最初に考えるときはあなたができる限界まで具体的に、詳細に突き詰めていってみてください。そして抽象と具体のどのあたりをコンセプトとして採用するかは、どういう人をターゲットにするかで決めます。広く多くの人をターゲットにするならより抽象的に、狭い人をターゲットにしたいならより具体的になります。
ただ、人は一般的に具体的に考えるのが苦手なことが多いので、めい一杯頑張ってもちょうど良いぐらいの具体的さになるような気がします。ですので、最初はとにかく具体的に表現することに集中して考えてみてください。
こう書きつつ、この記事の内容もかなり抽象的だったりします。どうでしょう?理解しにくかったですか?どうしても一般的な話をしようとすると抽象的になってしまいます。
コンセプトのもっと具体的な例は実践編でいろいろと挙げてみたいと思うのでここでは
- コンセプトは大切
- 考える切り口はいろいろある
- 具体的に考える
ということをしっかり頭に入れおいていください。