整体ではお客様は神様ではない

患者さんの悪魔の顔を引き出してしまう対応

「患者さんは神様です」という思考になるとどういう行動を取るかというと、患者さんの要求にホイホイ応えたり、わがままを許すという行動になります。

たとえば、無断キャンセルしたり遅刻してきても何も言わなかったり、ここを揉んで欲しいと言われたらその通りに施術したりといった感じですね。

このような要求に毎回言われるがままに対応していると、患者さんはドンドンとわがままになってきます。言葉を換えればあなたがドンドンと舐められるということです。

また、一度わがままを許すと次回それを断ったときに「前はOKだったのに・・・」となり不満も大きくなります。それが怖いからまた患者さんの言うことを聞く・・・となりがちで、どんどん悪循環に入っていきます。

そして、そういうわがままな患者さんが口コミして連れてくる患者さんもまたわがままである可能性が高く、そういう人ばかりが集まるようになります。

このように患者さんに主導権を握られた状態になると、あなたは余計な仕事が増えたりストレスが多くなってきます。これでは、せっかく脱サラしたのに上司が患者さんに替わっただけでストレスの多い毎日になってしまいますよね。

こうなると患者さんは神様と言うより悪魔に見えてきてしまうわけです。ではどうすればあなたが主導権を握り、こうならないようにできるのでしょうか?

整体院・整体師としてのやりたくないこと・ポリシーを決める

まず、最初に決めるのはあなたが整体師として「やりたくないこと」を明確にすることです。これが明確でないと患者さんから何かを要求されたときに断るか受けるかを即断できません。

曖昧な態度は患者さんの不信感や不満を大きくするだけなので、ダメなら即答でダメと答えられるようにしておく必要があります。

例として挙げると

  • 無断キャンセルは余程の理由が無い限り次回から予約はとらない
  • 遅刻してきたら施術時間はその分短縮するが金額は下げない
  • 当日キャンセルが2回以上続くともう予約を受け付けない
  • 揉んでほしいという要求には一切応えない

などなど。あなたが整体院を経営したり施術するにあたってやってもらっては困ることを明確にしておきます。手技の内容や整体院のコンセプトによって変わってくるので色々と考えてみてください。

そして、こういった内容はホームページやチラシなどに明確に書いておくことオススメします。

ただし、単にあなたがわがままなだけの要求ばかりではダメですよ(笑)

例えば、「無断キャンセルされると予約できなかった他の患者さんの迷惑になる」など合理的な理由が説明できなければなりません。そこは勘違いしないでください。患者さん・あなた双方にとってメリットのあるポリシーにしてくださいね。

整体師として毅然とした態度を取る

ポリシーが決まったら、あとはあなたがとるべき態度は「ダメなものはダメ」という毅然とした態度です。

開業当初は患者さんの数も少ないので要求を断ることに対して「患者さんが不満に思うな」とか「もう次の予約はとってくれなくなるかもしれない」という恐れがでてくると思います。そこはグッと勇気をふりしぼって整体師としての威厳をもってキッチリ断る勇気が必要です。ダメなものはダメという一本芯が通っている整体師のほうが信頼してもらいやすく、口コミヤセ術効果にもよい影響を及ぼします。

「嫌われたくない」という思いは誰の中にもあると思いますが、それを乗り越えないといけません。「嫌われたくない、だれからも好かれたい」となると最終的には何の特徴もないいい人になり、口コミも起こりませんし、わがままな人の言われるがママになってしまうのがオチです。

私たち一人整体院は万人受けをねらう必要は全くありません。一部のコアなファンを数百人作ることが出来ればそれだけで経営は安定します。あなたの施術や方針に不満がある人は他のところに胃ってもらった方が良いのです。その方がお互いによいことですよね。

このように考えて患者さんと接するように心がけてください。この記事を見て「そんなのあたりまえでしょ」と思った人は商売上手だと思います。この記事を読んで「そうなのか!」と思ってしまった人は今からこの考え方を頭にしっかりしみ込ませておきましょう。そうしないと、とっさのときに「いい人」を演じてしまいますので。